「わかりやすい英語冠詞講義」を読んだ
- 作者: 石田秀雄
- 出版社/メーカー: 大修館書店
- 発売日: 2002/03
- メディア: 単行本
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これを書いた時以来ツンドクしていた「わかりやすい英語冠詞講義」を今更消化した!(なんとほぼ4年間を跨いでのツンドク書消化である)
こんなに長期にわたってツンドクされていた理由を考えると、やはり冠詞の細かい使い分けは受験英語で得点する上ではあまり重要でなかったからだろう。しかし、bcwallet.rbとかを書いたりビットコインの仕組みを書く上でジャンジャカ英語の資料を読んだりしていてやっぱりあやふやなままだという自覚が生まれてきたのでちゃんと読む事にした。
この本の良い点としては、一見手をつけやすく見える「aとtheの底力」と比べて、より理路整然と使い分け方の理由が述べられている点がある。例えばthe sunにtheがつく理由として「aとtheの〜」では豆知識のような解説であったのに対してこちらではちゃんとuniquely identifiedであることが定性の大きな概念の一つであるといった解説がなされている。
悪い点としては、「英語では同じことを言及する時の言い換えがどちらかといえば好まれる」といった不安になる記述(どちらかといえば、じゃなくて英文ライティングではthesaurusとかを使って積極的に言い換えていくべきなのでは…)や、一部見うけられる和訳に頼った概念理解(英語のtheとaを「が」と「は」にマッピングするのは最もやってはいけない事の一つだと私は思うのだが…)が挙げられる。
また、良いとも悪いとも言えない点として、認知言語学的な考え方をかなり背景とした解説が組まれている。大学1年の教養で自分はざらっと認知言語学のごく基礎的な用語については教わったので、そこでひっかかることはなかったが、高校1年生当時にこの文章を読んだら正直何言ってるのか分からなかっただろうと感じる部分もあった。
- 作者: 籾山洋介
- 出版社/メーカー: 研究社
- 発売日: 2010/09/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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こういった書籍に目を通してからのほうが理解がスムーズかもしれない。(認知言語学の講義の時の教科書)
またそれぞれの概念についても「本書においてはこう定義する」といったような予防線を張っている箇所が多く、本当にそれが母語話者的な理解なのか論拠に乏しいと感じることも多々あった。
英語の母語話者の人が書いた本で冠詞についての良書があったら是非教えて下さい。